【元拒食症が解説】2か月行ったプチ断食のメリット・デメリット
プチ断食が流行っているけれどどんなメリット・デメリットがあるのだろう…
そもそも16時間も何も食べないのはとても辛そう…
と悩んでいませんか?
私は拒食症の時代に2か月の間プチ断食(16時間断食)を行い、メリット・デメリットを両方体感しました。
筆者の詳しいプロフィール(摂食障害×京大受験) - 家にいたいblog
そして拒食症が完治した現在、プチ断食は週1回程度にしています。
しかし、プチ断食が合うかどうかは人それぞれです。
そもそもプチ断食の中でも一番有名な16時間断食(リーンゲインズ)とは、
- 1日の中の8時間を食事の時間にし、16時間(女性は14時間)断食する
というもので、ダイエットの成功率が高いと評判になっています。
この記事では、
- プチ断食を2か月間行って体感したメリット・デメリット
- プチ断食のデメリットをなるべく回避する方法
この2点について説明していきます。
プチ断食をやろうか迷っている人は是非この記事を読んでいってください!
※成長期の人は絶対にやらないでください。これだけは確実に言えることです。
※私は高校時代に行いましたが、ゼッタイに真似しないでください。
1.実際に体験したプチ断食のメリット
1)確かに痩せる
ただでさえ体重が少なかった私でも1か月で2キロ痩せました。
その結果、拒食症がさらに進行してしまいましたね(マジで危険です)
痩せることができた要因は、
- 「朝食分のカロリーが少なくなった」が9割
- 「ケトン体という糖ではなく脂肪をエネルギーにするはたらきが断食中に起きた」が1割
ぐらいだと思っています。
つまり、
- 朝食の摂取カロリー分がマイナスとなって痩せていくことが1番の要因
- オートファジーやらケトン体というのはダイエットにおいてほぼ関係ない
ということです。
摂取カロリーが減ったことが一番の要因であることは研究でも明らかになっています。
しかし、普通のカロリー制限と異なる点は次のメリットで紹介している、食欲が抑えられやすいという点です。
2)慣れるとお腹が空かなくなる
最初の1週間は空腹で勉強どころではありませんでした。
しかし、1週間経つと、体が慣れてきて空腹をほとんど感じなくなりました。
なので、他のダイエット方法よりも楽に続けられる人の割合が多いので、評判が高いのではないかと思います。
3)集中できる時間帯ができる
プチ断食を行うと、午前11時~12時くらいまでは集中力が高くなったような実感がわきました。
集中力が上がる理由は、
- 一般的な白米やパンを朝食として食べると、インスリンの働きによって血糖値が下がり、逆に眠くなるから
- 軽い飢餓状態になることで、頭が冴える感覚を得られるから。
だと思います。
しかし、私は拒食症でかなりカロリー不足だったので12時を超えると完全に頭がボーっとする感覚に襲われました。
2.実際に体験したプチ断食のデメリット
1)夜に食べ過ぎて睡眠の質が下がる、食べ過ぎると痩せない
まず1つ目のデメリットは、朝食を抜くことによって夜の食欲が増えたことです。
私の場合は、朝食を抜いている分、夕食で普段より多い量を食べないと満腹感を得にくくなるような感覚がありました。
そして、摂取カロリーが多くなれば普通に太ります。
「いくら食べても太らない!」というのは全くの嘘であり、ただのキャッチコピーのためだと思います。
また、夜に食べ過ぎることによって胃腸にかなりの負担がかかり、睡眠の質に悪影響を及ぼしました。
睡眠の質が下がると食欲が増えて本末転倒…になりかねません。
なので、日中の食欲が抑えられても、夜にストレスから解放された状態で食べると食欲が収まらない可能性があるということを覚えておいてください。
2)集中できない時間がある
先ほどメリットで集中できる時間ができると説明しましたが、その後全く集中できない時間ができました。
いわゆる「低血糖状態」です。
低血糖になりやすいかどうかというのは、体質やストレス、栄養状態、その日の体調によって変わってくるので、
普段から低血糖になりやすい人はプチ断食はおすすめしません。
3)痩せすぎて普通の食事ができなくなる(危険)
「普通の食事ができなくなる」というのは、
- 「太りたくない」という気持ちが出すぎてさらに食事制限を加速させてしまう
- 痩せているのにまだ自分は太っていると思い込んでしまう
- 明らかに食事をとるべき状態でも食べたくない
という拒食症の症状が出てしまう可能性が出てしまうことが一番のデメリットです。
拒食症はとても恐ろしい難病の一つであり、過食嘔吐に移行するとマジで人生が狂います。
知識があまりない状態でプチ断食を行ってしまうと拒食症にならなかったとしても、不健康な痩せ方になってしまうので注意しましょう。
3.プチ断食のデメリットをなるべく回避する方法
1)「食べることができる時間は好きなだけ食べられる」という考えはやめた方がいい
食べることができる時間は自由に食べてもいい、訳がありません。そんな魔法はどこにもありません。
人間は少しいいことをすると少しだけ悪いことをしてもいいと思ってしまう習性があります。
10キロランニングしたからご飯お代わりしてもいいよね?
みたいなやつです。
なので、好きなだけ食べられるという考えを持っていると夜にドカ食いをして結局太ってしまう可能性が高くなってしまうので気を付けましょう。
2)栄養価の高い食べ物を食べる
摂取カロリーを減らすダイエットで1番重要なのが、少ないカロリーでも健康を保てる栄養素の高い食べ物を食べることです。
特に、ビタミンやミネラルなどは不足しがちになってしまうので積極的に摂ることが必要です。
簡単に言うと、食べてもいい時間にはちゃんと野菜とかもバランス良く食べましょう。ということです。
3)糖質制限と合わせて行わない
また、体内のバランスが崩れて代謝の低下を引き起こしてしまうため、糖質は最低でも1日130g(運動しない人の場合)は摂りましょう。
4)体質的に合ってないと感じた人は無理してやらない
1~2週間ほど試してみて、自分に合うか合わないかを判断することが大切です。
また、急に始めると体が驚いて体調を崩す場合もあるので、
- 少しずつ朝食の量を減らしてみる
- 週1回、休みの日に行う
- 初めは12時間から行う
といったように、少しずつ慣らしていく方法がおすすめです。
人間が全く同じ授業を受けても成績の違い、科目ごとの得意、不得意があるように
プチ断食が合う人、合わない人がいます。
今流行りだからという理由だけで行っているとかえって健康を害してしまうことがあることは是非覚えておいてください。
少なくとも低血糖状態になりやすい人はやめておきましょう。
プチ断食で失敗しないための具体的な注意点はこちらで説明しています。
4.プチ断食信者による反論を予想して答えてみた
1)「科学的に証明されているからあなたの一意見は参考になりません」について
これに対する私の答えは、
「科学はあくまでもヒントであり、すべての人に当てはまるわけではない」です。
実際に科学的に証明されていたとしても
- エビデンスレベルはどの程度なのか
- 被験者はどのような人たちなのか
- 反対意見を述べている論文はどの程度あるか
というのをちゃんと見ていないとダメです。
以下の2つの質問について考えてみてください。
- 高校生100人を対象にしたプチ断食の実験はありますか?
- 低体重(BMI18.5以下)を対象にしたプチ断食の実験も存在しますか?
答えはどちらもノーです。
実験する側、される側もリスクが大きいので安易に行えないのでしょう。
また、詳しく説明すると長くなるので割愛しますが、
人間の体はとても複雑な構造なので、科学が示しているのはほんの一部分であり、
全てを説明できているわけではありません。
これらの科学の限界を理解していないとプチ断食のメリットだけを盲目的に信じてしまい、かえって悪い結果をもたらしてしまうことがあるのです。
2)「プチ断食で成功している人がたくさんいるでしょ?知らないの?」について
これに対する私の答えは、
「いや、ふつうに三食食べて健康に痩せている人のいるわけで…」です。
三食食べて健康で痩せている人がいるどころか、ダイエットのことを一切気にせずに痩せている人だっています。
ボディビルダーなんかは筋肉の分解を最小限にするために一日5食食べる人だっています。
アンチエイジングが…といか言う人もいますが、
日本人で100歳超えている人は三食食べている人が多いという事実もあったりします。
痩せ方なんて無数に存在するので、プチ断食に囚われる必要なんてないのです。
最後に
情報弱者や思考停止の人間はダイエットに失敗する
私が1番伝えたいことは、
- 流行に流されやすい人
- 自分の考えを支持する情報だけを見て、デメリットから目を背ける人
- 自分に合っているかどうか確かめない人
- 信頼に値する情報なのか把握していない人
このような人はダイエットに失敗するどころか、健康も失ってしまう可能性が高いということです。
見よう見まねで間違ったダイエットを行ってしまうと、私みたいに摂食障害になる可能性もあるので、自分で考える習慣を身につけてください。
(このダイエット法が100%正しい!と言っている人の話は信用してはいけません)
最後に、批判的、多角的な思考を身に着け、メンタルを崩さずに理想の体に近づきたい人はこちらの本を読んでみてください。